在庫監理のミス・トラブルを無くすシステム化のポイント

在庫管理の悩み

在庫管理を簡単に考えて、つい後回しにしてしまう企業も多いでしょう。いくら売り上げが上がっていても過剰な在庫を抱えていると、利益も相殺されてしまうことになります。

ただし、そこで在庫管理に力を入れていく際にミスやトラブルが発生することもよくあります。本記事では、ミスやトラブルをなくすことができる在庫管理のシステム化について解説します。

在庫管理業務でよく発生するミス・トラブル

在庫管理は見た目では簡単にできる業務ではありますが、細かい作業が多いためにミスやトラブルも多く発生します。

よくあるミス・トラブル①保管場所が見つからない

入荷した商品がどこに保管されているのかすぐに見つからないと出荷作業にも時間がかかるようになり、従業員のリソースも無駄に取られるようになります。また、商品の出荷作業が遅れるようになると、商品出荷先の顧客満足度が低下することにもつながります。

よくあるミス・トラブル②在庫情報が間違えている

人の目に頼った目視による在庫管理をしているのでは、在庫情報に間違いが生じることをゼロにすることはできません。在庫情報にミスがあることは在庫の過不足につながりますし、廃棄ロスなどにもつながります。

よくあるミス・トラブル③在庫が適正でない

在庫が多すぎると在庫の廃棄ロスにつながり、在庫が少なすぎると販売機会の損失となります。その結果、企業利益の低下につながっていきます。

よくあるミス・トラブル④担当者ごとに手順が異なる

在庫管理は特定の担当者に依存しがちな業務であるため、担当者それぞれが行いやすい手順で行っていることが多くあります。しかしそれでは、その担当者にとってはやりやすい手順ではあっても、効率が悪いやり方をしている可能性もあります。
その場合、作業手順を統一すればいいのですが、手作業で行う部分が多い業務のために手を付けられない企業も存在します。

ミスやトラブルがなくならない背景や原因

在庫管理の悩み

在庫管理は見た目では簡単にできる業務ではありますが、細かい作業が多いためにミスやトラブルも多く発生します。

ヒューマンエラーで発生する

在庫管理を人間が行っていると、どうしてもヒューマンエラーが起こり、入力ミスが発生してしまいます。手書きの転記ミスだけでなく、パソコンやタブレットで入力していても桁数の入力間違いを起こすことは珍しくありません。例えば、在庫が100個なのに1000個と入力してしまうようなケースもあります。

在庫管理が属人化されている

「よくあるミス・トラブル④」にあるように、在庫管理の作業手順が属人化されてしまうと、同じミスやトラブルを同じ担当者が繰り返してしまうことがあります。それを直そうにも、作業手順のルールはその担当者の頭の中にしかありませんので、修正もしにくくなります。

情報共有が徹底されていない

在庫管理は、管理に関するルールや在庫数の変化に関する情報の共有が徹底されている必要があります。円滑に在庫管理業務を進めていくためには、場所・時間を問わずに正確かつ最新の情報を関連する部門で相互把握できるようにしておくべきです。

そのためには、管理部門だけで完結するのではなく、在庫管理情報を販売部門や製造部門などの他の部門とも共有している必要があります。

作業内容や作業品質に対する管理意識が低い

ミスやトラブルが多発する場合もあります。そんなときには在庫管理を行うスタッフの管理意識が低い可能性があります。在庫管理は企業の利益にも直結していく大事な業務でありますが、業務そのものは簡単なために軽く考えて仕事をしているスタッフがいるのかもしれません。

在庫管理のミスやトラブルで企業の利益が減れば自分の生活にも影響が及ぶ恐れがあることをスタッフにも自覚させ、管理意識を高めていく必要があります。

その際、在庫管理を統括するマネージャーには、各スタッフが責任感をもって業務に取り組めるようにしていく責任があります。

在庫管理業務をミスなく進めていくには?

在庫管理のミスをなくす方法

在庫管理業務をミスなく進めていくためには、以下に挙げる方法を地道に実践していく必要があります。

在庫数を把握する

在庫管理を正確に行っていくためには、まずは正確な在庫数を把握する必要があります。この在庫数の把握は棚卸しのときが最適だと考えるかもしれません。

しかし、商品点数が多い店舗や倉庫などでは、丸1日かけて棚卸しをしても終わらないかもしれません。そこで日頃からコツコツと在庫数を数えておくほうが良策です。

倉庫やバックルームの整理・整頓や清掃を心がける

倉庫やバックルームの在庫が乱雑だと、どの商品がどのくらい残っているのかがわかりませんし、正確に把握するまでには時間も要するようになります。

そこで商品在庫の整理・整頓・清掃は、在庫管理においてもっとも大事なこととなっています。

倉庫やバックルームが整理・整頓・清掃されていれば、どの商品がいつ入荷して、どのあたりにいくつの商品が置いてあるのかが、すぐに把握できるようになります。結果的に商品の売れ逃がしがなくなり、適切なタイミングで適切に商品を販売できるようになります。

在庫を棚ごとに管理する

倉庫やバックルームでは棚に商品在庫を置いていることが大半だと思いますが、決まった棚に決まった商品を置くように心がけましょう。これは当たり前のことかもしれませんが、仕事が忙しくなっているときには「取りあえず空いている棚に商品を置いておく」をしてしまいがちです。

しかし棚管理を徹底することで、商品を探すだけのための無駄な時間を省くことができ、人的リソースの節約にもつながっていきます。

管理場所を考える

在庫管理の場所は「固定ロケーション」と「フリーロケーション」とで分けて考えるようにしましょう。

固定ロケーションは、商品とその商品を保管する場所を固定して決めた場所のことです。「この商品はこの場所」と決めておくことで、商品が新規入荷したときにも置き場所に迷うことがありません。

商品を保管する場所を固定しない方法はフリーロケーションと呼びます。空いている場所にとりあえず商品を置いていく方法ですので、入荷してすぐに出荷になるような商品の保管場所に向いています。

ただ商品点数が多いと、どこに何の商品を置いたのかがわかりづらくなります。「商品の点数が少ない」「在庫数が少ない」といった業種に向いている管理方法です。

システム化のメリット・デメリット

RFIDイメージ図

在庫管理の手順や方法をいくら変えてみても、人の目に頼った作業ではミスを完全に無くすことはできません。いくら入力をパソコンやタブレットで行ったとしても、最後の入力作業を人が行うのではミスが発生する可能性があります。そこで在庫管理をシステム化していくことも考えてみましょう。

システム化していくことで多くのメリットを得られますがデメリットもありますので、よく確認してから導入を決める必要があります。

在庫管理のシステム化のために必要なRFID

在庫管理をシステム化するためにはRFIDを活用します。在庫商品にRFIDを貼り付けておき、RFIDを読み取ることでシステム化ができるわけです。

かつてはバーコードやQRコードを利用した在庫管理システムが主流でした。しかしバーコードやQRコードをスキャナやハンディターミナルで読み取るためには、近い距離まで近づかなければなりません。

その点、RFIDは電波を発信しているので、距離が離れていてもデータを読み取ることができます。そのため、高所や暗所に保管してある商品であってもその場で読み取ることができ、従業員が作業するときの安全性も確保できます。

RFIDとは?

RFID 紹介画像

RFIDとは「Radio Frequency Identification」の頭文字を取った略語のことであり、電波を使った専用タグである「RFタグ」の情報を非接触で読み書きする自動認識技術です。RFタグとは情報を読み書きできる記録媒体であり、電子タグ、無線タグ、ICタグ、RFIDタグとも呼ばれています。

従来、商品などの情報を読み取るためにはバーコードやQRコードが使われていました。しかしRFIDは手間がかからない上にバーコードよりも情報を多く書き込めるために、在庫管理業務を大幅に効率化・省力化できる方法となっています。

システム化のメリット

手作業で在庫管理をしているときには商品を1個ずつカウントする必要がありました。しかしRFIDなら商品に取り付けておくことで、電波を受信できる範囲内の商品を一度にカウントできます。業務効率化につながるわけです。しかもカウントした商品のデータは瞬時に管理部門のシステムに送られますし、カウントをミスすることをありません。

システム化のデメリット

RFIDを使用した在庫管理システムには初期導入コストがかかるというデメリットがあります。商品に取り付けるRFIDだけでなく、RFIDを読み取るためのスキャナやハンディターミナルや上位システムを揃える必要があるからです。

しかもRFIDは商品1個1個に取り付ける必要があります。そのため、在庫点数が多い場合にはRFIDを貼り付ける単位や品目を選定するなど、運用面を考えながら対応することでデメリットを回避するのが望ましいといえます。

システム化するにあたり検討しておくとよいこと

日本は慢性的な人手不足に陥っています。このような社会的な事情を考慮した場合、人手をかけて在庫管理業務を行っていくことは困難となっています。

取引先の業務形態までは制御できない点も鑑みるとは、システム化を含めた業務の見直し・効率化は避けて通れなくなっています。

データ管理に活用

在庫管理をシステム化することで、在庫状況を正確なデータとして管理できるようになります。そのデータをもとに、製造部門や販売部門と管理部門との間で情報共有できるようになるので、過剰在庫を抱えたり在庫不足になったりしない、適正な在庫管理ができるようになります。

連携システムの導入も検討

在庫管理システムを導入したら、販売管理システムや調達管理システムなど、他部門のシステムとの連携も検討しましょう。そうすることで商品の二重登録や登録漏れなどミスをなくすことができ、販売機会の喪失をさらに防げるようになります。

業務を可視化・効率化するRFIDアプリケーションパッケージ

RFIDリーダー画像

株式会社電通総研セキュアソリューションでは、RFID(ICタグ)を簡単に導入できるアプリケーションパッケージ「Roconie(ロコニー)」を用意しています。「RFIDを現場業務に合わせ、改善活動を小さく始めたい」「既にあるシステムへ影響を与えずに現場を効率化したい」などをお考えのお客様に最適な製品です。

→Roconie(ロコニー)の詳細はこちら

RFIDを業務へ導入して暗黙知や経験則からの脱却や記録ミスの低減を実現し、
実態に基づいた可視化や業務改善・効率化を実現しましょう。

ご不明な点はお気軽にお問合せください。2営業以内にご回答いたします。